基礎知識

1.債務・破産の問題を抱えておられる方々へ

破産・債務

多額の債務を負い、自己の収入・財産ではその全額を返済できないという方々はその支払をどうすべきでしょうか。生活が苦しくて大変であっても返済を継続していくべきでしょうか。

返済を継続することは「借りたものは返す」という原則に忠実な行為ですが、自分や家族の生活を犠牲にしている場合もあります。自己の収入・財産での返済が不可能あるいは困難になったときは、法は、借りた側も保護し、その経済的更生をはかる手続きを用意しております。

無理な支払を継続して暗い人生を送るより、法の認める範囲で債務を整理し、自己の収入の範囲内できちんと生活できるようにすることを考えてみてもよいのではないでしょうか。それは、自分や家族のためにも必要なことではないでしょうか。

私たちは、自己の収入や財産の範囲を超えて過大な債務を負担された方々が経済的なやり直しをして、再び平穏な経済生活を営めるようになることを支援したいと思います。

 

2.法的処理の流れ

債務・破産の手続きの流れは、次の通りです。

1.債権者への受任通知
2.利息制限法の引き直し計算
3.過払い金の回収
4.財産内容の確定
5.債務整理の具体的方法の選択

 


1.債権者への受任通知

弁護士から債権者に対し受任通知を送付することにより債権者の取り立ては停止しますので、まずはこれにより安心して頂けます。

2.利息制限法の引き直し計算

弁護士は受任通知を送る際に、取引履歴の開示を請求し、これについて回答があり次第、債務者の借入残金、過払い金の有無・額を調査します。消費者金融などにおいては、利息制限法を超える利息・遅延損害金を支払っていることがあり、利息制限法に従って引き直し計算をすると、元金が減少し、さらには、元金が消滅した後も支払を続けていたことにより過払いになることがあります。

3.過払い金の回収

過払い金が発生しているときは、その回収を行います。過払い金が発生していなくても元金が相当縮減される場合が多くあります。

4.財産内容の確定

利息制限法の引き直し計算・過払い金の回収により今後支払を要する債務の額が確定します。他方、資産の内容も明らかにして、債務者の財産内容(負債と資産)を確定し、具体的な債務整理の方法を検討する必要あります。

5.債務整理の具体的方法の選択

※次の項目(3.債務整理の方法の選択)で詳しく説明しています。

 

3.債務整理の方法の選択

債務整理の具体的方法として、次の4つのプランがあります。

任意整理

特定調停

個人再生

破産

どれを選択するかは、各制度の特徴をふまえ、資産・収入の状況、免責不許可事由の有無、裁量免責の可能性等から総合的に判断する必要があります。

(1)任意整理

債権者との任意の交渉により、支払額・支払方法を協議し、債権者との合意により整理の内容を定めます。このメリットは、柔軟に債務整理案を提示でき、破産における免責不許可事由(浪費、ギャンブル等)があるときでも執りうる方法であり、簡易で融通の利く手段です。
しかしながら、債権者の了解がない限り債務整理はできず、債権者数が多いときなど処理が困難となります。
 
(2)特定調停

特定調停は、簡易裁判所において債権者と債務者とが債務の支払に関して合意をしていく手続きです。裁判所における話し合いであり、裁判所による調整が期待できますので、代理人がいなくてもとりうる手続きです。

また、破産における免責不許可事由があるときでも利用できます。しかし、あくまでも債権者との話し合いで処理していくものですから、債権者の了解の得られる弁済計画を提示する必要があり、ある程度の収入、財産を有することが必要です。
 
(3)個人再生

個人再生は、定期的な収入がある場合に、裁判者の認可した再生計画案にしたがって一定の金額を支払い、残金の支払義務の免除を受けるものです。元金部分の一部が免除されますので、自己の収入にしたがって支払える範囲での整理が可能であり、破産における免責不許可事由があっても利用でき、さらに、一定の支払能力があれば、破産と異なり、不動産等の重要な財産を手放さないで済ますこともできます。

ただ、手続きが煩瑣であり、個人で行うことはかなり困難です。また、債務の免除を受けるとしても、最低支払額が法定されており、破産と比較して多額の支払が必要であり、弁済期間も3年間の長期にわたります。
 
(4)破産

破産は、破産手続き開始決定時の財産を換価処分してお金にし、これによって債権者に対する支払をし、法人については財産を0にして消滅させ、個人については免責手続き等により残金の支払をしなくても良い状態にするものです。

破産手続き開始決定時の財産がほとんどなく、費用にも満たないときは、破産手続き開始決定と同時に破産を廃止(終了)します。これを同時廃止と言います。財産がある程度あるときは、破産管財人(多くは弁護士)が選任され、財産が処分されます。ただ、現在は、破産者の生活を考慮し、一定の自由財産が認められており、全くの無一物になるわけではありません。

債務者に免責不許可事由があるときでも、裁量により免責される場合もありますので、この点の検討が必要です。なお、租税債権等は免責されませんので、注意を要します。

 

4.弁護士費用(いずれも消費税別途)

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