fukuma blog
以前、精読と多度についてブログを書いた際、私の精読的傾向は、法律の勉強によるということを書きましたが、実は、その傾向は、大学1年の時の教養課程の時の勉強の時から始まったかもしれません。
大学に入って、はじめは、法律以外の勉強をしようと思い、社会科学の領域で有名なマックス・ウェーバーという学者の本を読み始めました。確か岩波新書で出ていた大塚久雄先生の「社会科学の方法」という本が大変おもしろく、こんなにおもしろい学問があるのかと思い、そこで紹介されていたマックス・ウェーバーに興味を持ったのです。そして、早速、彼の「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波文庫、梶山力・大塚久雄訳)を読み始めたのですが、そこで衝撃的なことを経験しました。それは、上記岩波新書の解説本では、あんなに面白かったウェーバーが、実際、彼の本で読んでみると(翻訳ですが)、面白くないどころか、その内容が全く理解できないという事態になったのです。そこから、その本を理解するための悪戦苦闘が始まり、結局、その一年だけでも、3,4回は読んだのではないかと思います。
そうして読み進む内に、著者(ウェーバー)の緻密な論の進め方が徐々に理解できるようになり、そうすると俄然、解説本より、彼自身の表現で読んでいった方が遙かに面白くなってきたのです。そうなってくると早いもので、彼の「社会学の根本概念」「理解社会学のカテゴリー」「社会科学方法論」「ロッシャーとクニース」その他、政治学、官僚制に関する論考を次々と読み進んでいき、結局、解説本は、原著のエキスを相当薄めた代物であり、原著の持つ魅力を持ち得ないことが分かってきたのです。(上記解説本は、まぎれもなく、超一流の解説本ですが、解説という本の目的から致し方ないことであります。)
こんなことを書きましたのも、実は、今日、私の所属する宝塚ロータリークラブで、職業のことを語り合う機会があり、「職業としてのピアニスト」というフレーズを用いられた方がおり、マックス・ウェーバーの「職業としての政治」や「職業としての学問」という本を思い出したからです。
若いときの読書と勉強を思い出した一日でした。
記事一覧
- 23/10/18時効(時効の援用)について(2)
- 23/10/13時効(消滅時効・取得時効)について(1)
- 23/07/19遺産分割における生前贈与の取扱(期間的制限)
- 20/08/27私のお気に入り、ルマンのスペシャル野菜サンドが取り上げられているではありませんか!
- 20/03/31パソコン入れ替え完了しました。
- 20/03/03HPをリニューアルしました。
- 19/11/06法人化に伴うご挨拶
- 19/08/17事務所を改装・拡張しました(事務所面積2倍に!)
- 19/07/11この度、法人化し、弁護士法人福間法律事務所となりました。
- 18/11/09「Attorney's Magazine アトーニーズマガジン(66号)」に掲載されました。