fukuma blog

医の神「アスクレピオス」

2013/04/08(月) 日々の出来事本の感想

今日(月曜日)は宝塚ロータリークラブの例会日でした。ロータリークラブは職業人の集まりであり、毎回メンバーが自己の職業や趣味などについて卓話をします。時間は20分から30分程度です。本日の卓話は産婦人科医である中村三和先生の「西洋医学の歴史を見る」でした。冒頭は、医の神アスクレピオスに始まり、ヒポクラテスや中世・近代の著名な医学者のお話をして頂き、大変勉強になりました。卓話を終えられた先生に私の方から、「アスクレピオスはいろいろなところに出てきますね」とお話すると、先生は、「ソクラテスなどにも出てきますね」と話されました。

これには私にもちょっと苦い思い出があります。ソクラテスの最期を扱った本としてプラトンのパイドンがありますが、処刑の当日、魂の不滅を論証していたソクラテスの最期の言葉が、「私たちはアスクレピオスに雄鶏を借りている。皆さん、借りは返さなければならない。忘れたりしないように」(英語版からの福間訳)というものでした。これを読んだとき私はてっきり「アスクレピオス」は普通のギリシャ人だと思い、深遠なる哲学を語ったソクラテスも最期は、借りを返すことを人に頼んでおり、とても律儀な人であると思ったのですが、後にこの「アスクレピオス」が医の神様であることを知り、ソクラテスの最期の言葉にはもっと違った意味があることに気づいた次第です。ちなみに、アスクレピオスはアポロンの子でありますが、その出生には悲しい物語があるようです。

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