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「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー)を読んで(その4)
2015/02/19(木)
本の感想
ドストエフスキー氏は、ラスコーリニコフ、キリーロフ、イワンといった無神論的人物を多数創作し、執拗に神の存在性を追究させ、その執拗さは実に苛烈でありますが、彼らは少なくとも神をハナから無視した人物ではなく、むしろこの世の不条理を追究するあまり、神の否定に至ったとでも言うべきところがあり、神の模索ないし否定という形で神の問題と関わっていたとも言えるかもしれません。
イワンを例にとっても、彼は、神を信じないニヒリスト言うよりは、子供達の幸福を願うヒューマニストであり、大審問官の詩の前に語られるイワンの言葉は悲痛なものであります。
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