fukuma blog

片岡紫江先生を偲んで

2014/07/07(月) 日々の出来事

 先般お亡くなりになった書道家の片岡紫江先生は宝塚文化財団の評議員をされており、私も監事をしていたことから、先日宝塚ホテルで催された偲ぶ会に参加しましたところ、先生の随筆集「筆つれづれ」を頂きました。仕事の合間に読ませて頂くのですが、先生のユーモアや優しくも厳しいお人柄が偲ばれ、また、日々のたゆまぬ精励から導かれた芸術作法にも触れることができます。

こんな文章があります。

「その日その日で体調も精神状態も変わりますから、よほど信念がしっかりしていない限り変動いたしますし、ある日よく書けたと思っても翌日眺めると悪いところが眼に入って、『どうして昨日はこんなもので満足したのかなあ?』と自己嫌悪に陥ったり致します。でも、それなりにコツコツやっていれば、必ず積み重ねて上達すると自分を信じていけば良いのでは有りせんか。本当に自分自身との対決ですね、芸術は。」(同書192頁)

何か軽く書かれたようにみえる文章なのですが、最後のところが「対決」となっているところに先生の気迫を感じるのです。ご冥福をお祈りいたします。

記事一覧|2014年7月

ページトップへ