fukuma blog
自己統治としてのゴルフ
私は下手なりにゴルフを趣味としておりますが、このゴルフというのは、絶対的な自己統治の世界ではないかと思います。と言いますのは、ゴルフは自己申告制ですので、ルールに則っているかどうかを自分で判断しなければならないからです。自己申告であれば、ごまかそうとすれば、トコトンごまかすこともできます。
ボールを打とうとして構えたら、クラブヘッドがボールに当たってライが変わったり、バンカーでクラブのソールがほんの少し砂面に触れてしまったり、おそらくはプレイヤー自身でなければ分からないペナルティ対象行為がたくさんあります。いいスコアで回りたいという欲望と戦いながら、自分を罰していかなければなりません。
昔、憲法や政治学の本を読んでおりますと、民主主義というのは自己統治を意味し、治者と被治者の同一性を確保しようとすることにその本質があるというようなことが書いてありましたが、行為者が自らの違反行為を取り締まり自らに罰則を加えていくというのは、完璧な自己統治の世界であり、ゴルフは絶対的な民主主義を実現するものではないかと思います。
さらに、ゴルフプレイヤーは、ルールという「法律」に支配されているだけでなく、自然の「法則」にも支配されております。その支配は絶対的でありまして、物理法則に反したボールの飛び方は一切ありません。 自分の失敗はできれば人や環境のせいにしたいのですが、スライスが出るのはそのような打ち方をしているからであり、一切が自分の行為の結果であり、その結果は、峻厳な「自然法則」に従っているだけであります。
世の中の峻厳なるルールとしての法と、自然界の法則としての法を二つながら勉強させて頂けるのがゴルフではないかと思うのです。
(昨日ゴルフに行きましたところ、最終ホールの第2打が自然界の法則に従ってOBになったのですが、その時のスコアを間違えていたことに家に帰ってから気付き、自己統治の難しさを感じた次第です。因みに、法治国家においては法を知らないことをもって弁解することは許されておらず、「法の不知は害する」という言い方をします。ゴルフにおいては「ルールの不知は害する」ということであります。)
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