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「司法試験に合格しました」とのお知らせがありました

先般、司法試験の合格発表があり、その直後にお二人の方から「合格しました」とのお知らせがありました。お二人とも私が大学で民法のゼミをしていた時のゼミ生の方であり一回目の受験により合格されたものであり、私も大変嬉しく思った次第です。

司法試験は難しいとよく言われますが、そこで求められているのは細かな法律知識ではなく、極めて基本的な法律の運用能力であり、その運用能力を獲得することにより実務に出て多様にして複雑な案件を処理することができるような基礎的にして根本的な法的処理力というべきものです。

上記のような法的処理力は、具体的に生起する様々な問題について法の基本に立ち帰り、法の論理を組み立てて結論を導き出す力でもあります。それは、物事をきちんと筋道立てて考え抜くことによって養われ身に付けられていくものであります。画家が優れた絵を描くには、自己の審美眼を基礎としながらも、筆や絵の具の扱い方に習熟していく必要があるのと同様に、法律家も、他を納得させる優れた法的結論を導くには、各自の正義感を基礎としながらも、法律や事実・証拠の取扱に習熟していく必要があると言えましょう。

司法試験に合格された方が、司法修習の過程で実務を学び、法的処理力を一層高め社会に貢献していかれるのを期待して止まないものであります。

記事一覧|2014年10月

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